衝撃のサークル設営に参加してきました。「我夜戦4」イベント頒布レポート

文字通り、サークルスペースがお通夜。
文字通り、サークルスペースがお通夜。

かつてここまで衝撃的なサークル設営を、同人イベントで見たことがあるだろうか?

少なくとも私たちには無かった。そう、まさしく「その発想はなかった」のである。Twitterのタイムラインでその写真を見るやいなや、私たち編集部メンバーは後頭部をSIGMAのAPO 200-500mm F2.8/400-1000mm F5.6 EX DG(参考→製品情報)で殴られたかのような衝撃に襲われたのである。

さて、上記の写真は、去る2016年5月29日にインテックス大阪で開催された「艦これ」オンリーイベント、「我、夜戦に突入す!4」に参加した、とあるサークルの設営の様子だ。

穏やかじゃない。とても穏やかじゃない。

一体どうしてこんなことになってしまったのか。その経緯を確かめるべく、TEAM EX NOTES編集部は、頒布に関係したとされるこぶだし氏にコンタクトを試みた。

今回レポートしてくれる人

今回のイベントについてレポートしてくれるのは、当該サークルの知り合いであるこぶだし氏だ。

こぶだし

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同人サークル「カントダキ。」代表。TEAM EX NOTESとは業務提携関係にあります。東方やオリジナルを中心に同人活動をしております。現在、月刊コミックアライブ(KADOKAWA・メディアファクトリー)にてギャグ漫画「レッチリ」を連載中です。

ここからはこぶだし氏のレポートを読んでほしい。


来たる2016年5月29日。大阪の最高気温は28度。午後から雨が降るらしく湿度は高めだ。

そんな中で私、こぶだしはこのような格好をしていた……。

インテックス大阪内部に設置されている大型モニタの下で喪服のおっさんが3人。この華やかな同人イベントの会場には決して似つかわしくないフォルムです。とにかくクッソ暑い。一般参加列のすぐ近くだったので、周りからの視線が痛く刺さります

コスプレ?趣味?いえ、そうではありません。私たちはかねてからの友人であるmozuさんが、本日開催される「艦これ」オンリーイベント、「我、夜戦に突入す!4」にサークル参加をするとのことで、そのお手伝いとして召集されました。

私は「いつもお世話になっているmozuさんの頼みなら」と喜んで引き受けました。しかし、mozuさんは今回、「なかもず葬儀会館」というサークル名で参加登録をしていました・・・

葬儀業者「なかもず葬儀会館」とは?

なかもず葬儀会館(そうぎかいかん)は、関西を中心に展開をしている民営の斎場・・・ではなく、今回のイベントのためにだけ作られた同人サークルです。代表は「なかもず」さん(mozuさんの別名義)。

mozuさんは以前より、イベント参加をするときの頒布物の内容によってサークル名を変えていました。過去の例では「まどか☆マギカ」の同人イベントで「関西版まどマギ合同 なにわ☆マギカ」を頒布するときは「大阪駅前第5ビル」、その第二弾の「関西版まどマギ合同2 なにわ☆マギカ(都)」を頒布するときには「三三四条烏丸」などなど・・・

そして、今回の頒布物は「グッバイキッソ」と、その第二弾である「グッバイキッソ2」という2つの同人誌です。

「グッバイキッソ」 is 何?

タイトルに「グッバイ」と冠しているし、サークルスペースも葬儀場。これはもしや木曾が沈んでしまうシリアス系同人誌なのかと思われるかも知れませんが、中身は「木曾が延々と死亡フラグを立てまくるギャグ漫画」です。本の中で木曾は死にません。というかmozuさんの漫画、ギャグとエロしか見たことないわ

よくある死亡フラグってありますよね。「俺、この戦争が終わったら、結婚するんだ」みたいな。簡単に言ってしまえばあれの詰め合わせですね。

今後もどこかのイベントで頒布するつもりらしいので、興味がある方はmozuさんのサークルまで足を運んで頂けたら嬉しい限りです。

「グッバイキッソ2」の頒布概要

  • イベント:我、夜戦に突入す!4(2016年5月29日開催、インテックス大阪)
  • スペース:カ25a「(サークル名)」
  • 頒布物:「艦これ」木曾死亡フラグ「グッバイキッソ2」
  • 頒布価格:400円

正直な話、最初はビビっていました。

サークルスペースを葬儀場のように、そして売り子も喪服を着るということが決定したとき、はじめは大阪人の血が騒いで「すごく面白そうですね!」と大賛成していたのですが、イベントの日が近づいてくると、徐々に不安が大きくなっていきました。

それもそのはず、サークルの配置はいわゆる木曾島。木曾が好きで同人活動をやっている方々の集まりです。その中で好きなキャラの葬儀をやれば反感を買う恐れもあるのではないかと。しかも運が良いのか悪いのか、人の目につきやすい「お誕生日席」に配置されていました。お隣も大手サークルさんだったので、大勢の方がスペースに接近する条件が揃っていました。大勢の目につけば悪いふうに広く拡散されて、”炎上”してしまう可能性もあるのではないかと。

サークル主のmozuさんと事前に対策を練った結果、なるべく早く行って設営を完了しておき、事前に周辺サークルへの挨拶と謝罪を済ませる。なにか注意を受けたら、葬儀に関係しそうな物品を片付けて、ノーネクタイで売り子をする。謝罪や土下座用に普通のネクタイも持っていく。揉め事に発展しそうだったらすぐに撤収し、音ゲーで存分に遊んでから帰る。といった案が出て、最悪の場合はすぐに帰ろうということになっていました。

不安を抱えたままイベント開始

文字通り、サークルスペースがお通夜。

文字通り、サークルスペースがお通夜。(撮影:アカマツ @hentai_god

イベント会場に到着し、自らのスペースの場所を確認した私たちはさらに不安が大きくなりました。「なにここ?!めっちゃ目立つやんけ!!」

とにかく配置されてしまったものは仕方がないので、すぐさまに設営を済ませる。設営中に以前より親しいまどか☆マギカ界隈の知人たちが集まってきて「うわ、マジでやるんですか?!」「本格的過ぎるでしょwww」と人生で味わったことのないくらいの写真撮影の嵐。恥ずかしい気持ちもありましたが、身内にだけでもウケて良かった・・・とまずは一安心。

そうこうしているうちにお隣のサークルさんが到着。邪魔にならないように設営が落ち着いた頃に「隣でこんな設営してごめんなさい!」「迷惑かけることがあったらすぐ帰ります!」と謝罪から入りました。しかしお隣さまは「なにか面白いことしてるなって思っていた。」と特に怒った様子もなく、受け入れてくださいました。その後もお隣さまはイベント終了まで楽しくお話をしてくださいました。重ねて本当にありがとうございました。

設営完了時

左に立つmozuさんが持つ数珠は祖父の代から受け継いだ猫眼石製で、なかなかの値打ちもの。なにしてんのホント。

そして、ついに一般入場開始。これから大勢の人がどんな目でサークルを見るのか、とても緊張していました。

足早に目的のサークルへ向かう一般参加者の方々。と、なにか不思議そうな顔をして当サークルを二度見をする方が続出。お隣のサークルに並んでいる方の視線も当サークルに向いていました。少し離れた位置から「なんやねんあれw」「うわ、鈴まであるやん。」と多くの方々の興味を引くことに成功。みなさん特に怒った様子もなく、笑ってくれる方や、頭の上に「?」マークが出ていそうな方ばかりでした。

そうこうしているうちに、当サークルで同人誌を試し読みしてくれる方が出てきました。内容については、さすがはギャグが得意なmozuさん。読んでから面白いと言って買っていってくれる方も。本を買って頂くたびに悪ノリで「本日はお忙しい中、故・木曾さまの葬儀にお越し頂き、誠にありがとうございました。」と私が葬儀屋のマネをすると、みなさん拝み返してくれたり、「ご冥福をお祈りします」と、木曾の冥福を祈ってくれる方も多数いらっしゃいました。

ひとまずは大成功なのではないかと、当サークル一同胸を撫で下ろして安心することができました。

中にはこんな方も・・・

色々な方が本の内容や設営について感想を言ってくださる中、普通のサークルスペースではあり得ない、珍しい方がスペースを訪れてくれました。

なんと、当サークルに置いていたものではなく、数珠を持参で木曾を弔ってくれる方がいました。わざわざ当サークルのために準備してくれていたということでしょうか・・・なんというか、こちらが笑わされてしまいました。

他にはこんな方も

やたらとリアルなお経を唱えてくださる方がいました。その方は一通りお経を唱え終わると、「すみません。私、家が寺なものですから、お経をあげさせて頂きました。

・・・

プロかよ!!!!

本物のお経に興奮した私は、サークルの後ろでスケブを描いていたmozuさんに「すごいですよ!この方!!本物のお経を唱えてくれました!!」とハイテンションに。以前よりお経を唱えて下さった方には「坊主割」が適用されるということで、その方には無償で新刊をお渡ししました。まさか坊主割が適用されるとは夢にも思っていなかったので、とても嬉しかったです。間違いなく今回のイベントのハイライトだったと思います。

終始和やかなムードの中、イベントは無事終了しました。珍しい設営でイベント参加者の方に楽しんでもらえるかと思っていましたが、なんだかんだで私たち自身が一番楽しむことができました。

その後は、(喪服のままで)音ゲー、打ち上げと最後まで楽しい一日でした。本当にありがとうございました!!

なぜこのような同人誌が作られたのか?

そもそも、なぜ「グッバイキッソ」が作られたのか。その発端は、なんと「あの人」のツイートにありました。

このように、初心者提督(当時)であったたこぱいそん氏が不注意によって木曾を大破進軍し、轟沈させるというとても悲しい事件がありました。

たこぱいそん氏と木曾

たこぱいそん

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二次創作や創作で漫画の同人誌を出しています。 アナログ原稿をこよなく愛するおじさん。梅田によく出没します。

そう、たこぱいそん氏とは、先日デジタル原稿の時代だからこそ伝えたい、アナログ原稿制作の魅力をこのサイトで執筆していた人です。氏にはこのような、秘められた過去があったのです。

その直後にmozu氏の手によって、たこぱいそん氏を煽るためだけにが轟沈させてしまった木曾への哀悼の意を込め「グッバイキッソ」第一弾が作られました。その時は別ジャンルのイベントで少部数、知人に配る程度の規模での頒布でした。

そして事件から約一年が過ぎ、轟沈してしまったたこぱいそん氏の木曾(享年 レベル19)の一周忌も兼ねて、今回のイベントへの参加に至ったわけです。ちなみにたこぱいそん氏は「グッバイキッソ」第一弾にも第二弾にも寄稿をしています。

余談ですが、二度と木曾を艦隊に配備しないと言っていたたこぱいそん氏ですが、現在も木曾を艦隊に入れているそうです。

二度と轟沈させないようにね!