旅行記:都会に疲れた時に行きたい、浦賀〜観音崎エリア散策のススメ

観音崎灯台

神乃木です。私は普段都心部で生活していますが、ずーっと都心の自宅と会社を往復していると、時々無性に自然が恋しくなります。

コンクリートとカラスばかり眺める生活は嫌だ! 一度と思うと、もう止まりません。どこに行くか考える時間が始まってしまうのです。

「ん、そういえば以前フチヤモリ君が三浦半島に行っていたな」(以前の記事:【自然と猫】自費による最高の一人旅。ヤモリ、三浦半島の果てに飛ばされる)……そう思った私は、三浦半島の反対側である「浦賀」が気になるようになりました。

浦賀といえば、ペリー来航から150年、その昔は海上防衛の要所として位置した軍港都市で、第二次世界大戦中は駆逐艦を中心に数多くの艦艇が建造された「浦賀船渠」をもつ町です。

しかし、今となっては当時の面影は少なく、むしろ情緒あふれる港町として静かな佇まいを残していました。

今回は、そんな「浦賀」と、浦賀からバスで移動できる「観音崎」を半日かけて散策してきましたので、そのレポートをしてみたいと思います。

今回の写真は、特記のない限りCanon EOS 7D Mark II + EF24-70mm F2.8L IIで撮影しています。

浦賀駅周辺を散策してみる

浦賀駅前

午後14時半頃。品川の泉岳寺から快特と各駅停車を乗り継ぐこと約50分。浦賀駅前に到着です。辺りには高い建物はなく、駅前にはヤシの木が植えられており、ちょっとした南国感を味わうことができます。今年の梅雨は晴れの日が多く、今日も浦賀付近は、もやがかかっていたものの快晴でした。しかし暑い。

西浦賀を歩く

浦賀の西側を南へ進んでいくと、平和な港町といった感じの風景が広がっています。海岸沿いは公園のようになっています。恐らくこの道を通い慣れているであろう男子高校生が目の前を通りがかると、おもむろにデジカメを取り出して一枚。彼にとっては当たり前の風景でも、何年か経った後には懐かしい思い出として残るんでしょうね。

浦賀港の形状
浦賀港はこのように深く入り組んだ構造になっており、まず最初に歩いたのは赤いゾーン、西浦賀エリアです。地図では平面に見えますが、実際には「海海海町山山山」といった感じの地形になっていて、車やバイクがないと移動するのには少し難儀しそうです。

 

西浦賀の住宅街

西浦賀の住宅街に入ると、静かで少し古い町並みが広がっています。浦賀にはコンビニはそこまで多くなく、個人商店が結構な数散在していました。

西浦賀の商店。

道を一本入ったところに見つけた商店です。完全に昭和の雰囲気を漂わせていますね。店の前に置かれたカブと、色褪せた「キリンビール」の看板が、店の歴史を暗に語っているように感じます。

ペリー歯科

道路沿いに戻ると、「ペリー歯科」というなかなかユニークな(穏当な表現)ネーミングの歯医者さんがありました。確かに「浦賀といえばペリー」は小学生でもわかる連想ですが、にしても歯医者の名前にするのは何か違和感があるような……。面白いので撮っておきました。

西浦賀から東浦賀には、所要時間2分の渡し船がある

そんな感じで町並みを探訪した後は、浦賀の東側へ移動します。上のマップでいう右側ですね。

しかし地図を見て分かる通り、浦賀には橋がありません。この地形の不便さを解消するため、浦賀にはなんと所要時間2分の渡し船が存在します。

浦賀の渡し船「愛宕丸」

それがこちら。現在の船の名前は「愛宕丸」といいます。この船は「浦賀の渡し船」と呼ばれる航路で、歴史はなんと1700年代の江戸時代に遡ります。「矢切の渡し」のように川を渡る船はその昔多くありましたが、浦賀では港の東岸と西岸を渡るための渡し船があったんですね。

……と、写真を撮っていたら渡し船が出港してしまいました。といっても見えているところに行くだけなのですがね。

浦賀の渡し船はボタンで呼べる

そして面白いことに、船が無いときはボタンで呼べるようになっているようです。まあ、流石に桟橋で立っていれば見つかるだろうと思って4分程度待っていると、ボーッ……というディーゼル音とともに、船が戻ってきました。

乗客は私一人での出港です。自分だけのために船に乗っていると思うと、なんだか特別な気分になりますね。まぁ、2分で終わるんですけども。

浦賀の渡し船を海上から(iPhoneで撮影)

浦賀の渡し船を海上から(iPhoneで撮影)

というわけで、あっという間の船旅は終わり、浦賀の東岸に到着。東側には喫茶店があって、後から船を操縦していたお爺さんが降りてきて、他のお爺さんたちと雑談をしていました。

「今日は獲物がけっこう居たらしいよ」「ああ、船長さんか」「そうそう……」どうやら漁師仲間なのかもしれません。

「浦賀の渡し船」営業時間と料金表

「浦賀の渡し船」は誰でも乗船でき、1回あたり大人200円で乗船できるようです。「昼休み」があるのが何とも愛らしいですね。

浦賀の東側は、より住宅街の色が濃くなっていました。途中、もう絶滅したと思っていた手動ポンプの井戸と神社を見つけたので一枚。「水を飲まないでください」という注意書きがありますが、そりゃあ飲まないでしょう。

東耀稲荷大明神

浦賀からバスで10分、観音崎公園へ

さて、浦賀も西から東へと散策してみたので、次の場所へ向かおうと思います。目指すは三浦半島の最西端になる観音崎公園(正式な名称は観音。簡単のため、ここでは観音の名称を用います)。

浦賀方面からは1時間3本程度のバス(京急バス)が運行されており、約10分で観音崎公園へ行くことができます。写真は撮りそびれてしまいましたが、途中の風景もなかなか良かったのでオススメです。

観音崎公園と東京湾海上交通センター

というわけで観音崎公園へやってきました。奥に見えるのは東京湾海上交通センターの灯台です。「かながわの景勝50選」に選ばれた場所なのだとか。どんなところなのか、散策してみましょう。

観音崎公園をパノラマで

観音崎公園をパノラマで(iPhoneで撮影)

バス停付近から少し歩いて、パノラマで見るとこんな感じの風景が広がっています。左手の浜辺では既に海水浴をしている人たちも見かけました。ハイキングやレジャーで来ていると思われる人たちも何人か見かけたので、遊び甲斐がありそうなスポットですね。

観音崎公園の釣り人

磯の方に出ると釣りも楽しめるようです。海辺にはつきもののトンビ(あとカラス)が空を舞っていました。波の音と鳥の声しか聞こえない、静かな場所です。しばらく立っていると、タンカーの汽笛だけが遠く響いてきました。

……と思いきや、何か背後から「ゲコッゲコッゲコッ」という鳴き声が聞こえます。珍しい鳥でも居るのかと思い、よーく目を凝らしてみると……

リス!?

なんとリスでした。このリスはタイワンリスという種類のリスらしく、とても特徴的な鳴き声を発するようですね。ちなみにこのタイワンリス、他の生態系に影響を及ぼしかねない特定外来生物と指定されており、見つけた場合には捕獲処分する必要があるのだとか。いや、どうみても捕まえられる種類ではないですけどね……。

にしても、野生のリスが普通に動き回れるぐらいの自然があるというのは良いことです。

整備された通路と階段を登って、観音崎公園のシンボルでもある「観音崎灯台」へ登ってみましょう。

観音崎灯台

こちらが観音崎灯台です。浦賀水道を明るく照らす灯台として明治元年に建造、その後関東大震災の後に再建され、大正時代から今に残る灯台です。

行った時刻は閉門時間15分前でしたが、案内の方が「どうぞゆっくり見ていってください、時間オーバーしても構いませんので」とおっしゃるので、寄付金200円を払って中に。

1869年から運用開始

近くには「點燈明治己巳年正月元旦」と書かれた石碑が建っています。明治元年に建造され、明治二年の元日の朝から浦賀水道を照らし始めたという意味ですね。

観音崎灯台からの眺め

狭い階段をぐるぐると登って展望台に立ってみると、確かに東京湾が一望でき……るはずだったのですが、だいぶモヤが増えており、遠くの風景はほとんどよく見えませんでした。快晴の時に来れば千葉県のほうまでくっきり見えるようなので、また天気を選んで来てみたいですね。

観音崎灯台を後に、砲台跡、そして猫

観音崎灯台からは別な道がある

観音崎灯台を出ると、左手に先ほど来たルートとは違う道があることに気づきました。少し暗くなりつつある道を進んでいきます。

と、ここで何やら広場のようなところに着きました。薄暗い木々の中に、歴史を思わせるレンガ造りの建物のようなものがあります。

砲台跡

ここは、観音崎公園にあるわが国最初の砲台、北門第一砲台の跡地だそうです。レンガを挟んで左と右に一台ずつ砲が設置されていて、浦賀水道を脅かす船舶に対してドカーンとやっていたわけですね(実際にやったかどうかは知りませんが……)。

ちなみにこの砲台、ここからは穴が塞がれていますが、別なところからトンネル伝いに砲台の地下まで潜ることができるようなので、散策のしがいがありそうですね。

そして、砲台を下って木のトンネルを抜けると……おや?

北門第一砲台付近の野良猫

何か居ました。キャットです。猫です。めちゃくちゃ警戒心なさそう。

とはいえ、ここは動物を撮るときの鉄則に則り、姿勢を低くしてゆっくりと近づきながら1枚ずつシャッターを切っていきます。

北門第一砲台付近の猫

あ、逃げられた。

どうやら白い方は警戒心が結構強いようです。そのままそっぽを向かれてしまいました。仕方ないので黒い方を狙ってみます。

眠そうな猫

うーん……目つき悪いな……あんまりいい顔をしてくれない……。

しばらく粘ってみたのですが、コレといっていい感じの写真が撮れなかったので、ここは素直に立ち去ることにしましょう。

観音崎公園を後に、横須賀へ

陽が傾いてきた

再び観音崎公園へ足を踏み入れますが、だいぶ陽が傾いてきました。森の中は結構薄暗くなっているので、そろそろ退散の時間でしょうか。来た道を戻り、最初のバス停付近を目指します。

観音崎公園を後に(iPhoneで撮影)

観音崎公園を後に(iPhoneで撮影)

元の場所まで戻ってくると、案外陽は高いことに気づきます。もう少し居ればよかったかなと思いつつも、腹が減っているので帰ります。

観音崎からは浦賀へ戻らず、京急バスで横須賀中央へ向かいます。

以前横須賀に住んでいた知り合いから、「市場食堂」という海鮮系の定食屋さんがあることを聞いていたので、頭の中が海鮮だらけになっています。おかげで、バスの車窓から見える夕日に照らされる横須賀の風景も撮り逃してしまいました。

というわけで横須賀中央駅へ到着。横須賀中央駅から「市場食堂」は徒歩2分です。

店舗の写真を撮ることも忘れて入店。海鮮丼は600円台から、定食も800円台からあるのですが、ここは恐らくこの店の名物である「市場食堂(1200円)」をチョイス。

横須賀中央駅徒歩2分「市場食堂」の市場定食

横須賀中央駅徒歩2分「市場食堂」の「市場定食」。iPhoneで撮影。

これは満足! なにより味噌汁が美味い! 私は個人的な和食の評価基準として「味噌汁が美味い店の料理は全て美味い」と思っているのですが、想像に違わず天ぷらもとても美味。刺身ももちろん上等です。いろいろメニューがあるので、また来たときには使ってみたいですね。

市場食堂 横須賀中央店
046-826-0155
神奈川県横須賀市若松町3-12
http://tabelog.com/kanagawa/A1406/A140601/14027336/

うん、満足した。食事をしたら食後はコーヒーですよね。

ということで、路地を適当に歩きながら喫茶店を探します。

喫茶店を見つけました。「茶豆湯」と書いて「ちゃずゆ」と読む喫茶店です。純喫茶で、珈琲と紅茶を数多く置いてあることが特徴なよう。さっそく入店してみました。

「茶豆湯」の店内(iPhoneで撮影)

「茶豆湯」の店内(iPhoneで撮影)

おお、これはオシャレな。しかも時間帯がよかったのか、客が私しかいません。黒髪のイケメンな店員さんにマンデリンブレンドのオーダーを伝えると、店員さんは慣れた手つきでサイフォンを操作し、コーヒーを持ってきてくれました。

茶豆湯のマンデリンブレンド(597円) iPhoneで撮影

茶豆湯のマンデリンブレンド(597円) iPhoneで撮影

いやー、これは美味しい。きちんとした水で、きっちりサイフォンで淹れた味がします。都心部の有名コーヒー店にも引けをとらない味です。

自分しか客の居ない静かな店内で美味しいコーヒーを飲む……これほどの幸せがあって良いのでしょうか。とにかく、大満足の喫茶店でした。

後で知り合いに聞いてみたところ、「茶豆湯」は横須賀中央では有名な喫茶店のようです。休日には人が多いこともあるらしいので、たまたま行った時間がラッキーだった、ということですね。にしても、この雰囲気とこの味なら近所にあれば通うだろうなぁ、と思いました。

茶豆湯
046-823-9181
神奈川県横須賀市若松町1-8-4
http://tabelog.com/kanagawa/A1406/A140601/14013552/

最後に

以上、写真27点を交えつつ、浦賀〜観音崎エリアの散策レポートをお送りしてみました。

今回は思いつきで行ったので全部PASMOで支払ってしまいましたが、浦賀〜横須賀付近をバスも交えて散策するのであれば、フチヤモリ君も使用していた「三浦半島1DAYきっぷ(クリックで京急電鉄のページへ飛びます)」がお得そうですね。

品川発で1920円で、往復+フリー区間がついてくるので、通常運賃(浦賀までだと往復1580円)で行ってバスを色々使うよりは遥かにオトクに済みそうです。

品川からの所要時間も1時間程度と近い部類に入るので、休みの日や予定が空いた時には、ふらっと三浦半島を目指してみるのもいいかもしれませんね。

余談・横須賀「はいふり」聖地巡礼

ちなみにこの記事を書いた5日前には、「ハイスクール・フリート(はいふり)」の聖地巡礼のために横須賀に行っています。最後におまけで、横須賀の巡礼写真集をお送りしたいと思います。天気があまり良くなかったのと、PLフィルターを忘れるという大失態をしでかしたため、記事化はしていないので供養です。

JR横須賀駅前。「はいふり」作中でもまんまのカットが出てきましたね。

JR横須賀駅前。「はいふり」作中でも横須賀駅は健在でした。

汐入駅付近にある「諏訪大神社(すわおおかみしゃ)」。回想シーンで登場しましたね。

汐入駅付近にある「諏訪大神社(すわおおかみしゃ)」。回想シーンで登場しましたね。

衣笠山公園の「はいふり」ポスターです。2016年の春アニメなのに、20年前ぐらいのアニメに見えます。

衣笠山公園のポスターです。2016年の春アニメなのに、20年前ぐらいのアニメに見えます。

横須賀中央駅前特設の「晴風」クラスの等身大パネルです。だいぶシュールな気が……

横須賀中央駅前特設の「晴風」クラスの等身大パネルです。だいぶシュールな気が……

汐入駅前「ハングリーズ」の「横須賀海軍カレー」です。海上自衛隊「きりしま」の艦長がいたく気に入っているんだとか。

汐入駅前「ハングリーズ」の「横須賀海軍カレー」です。海上自衛隊「きりしま」の艦長がいたく気に入っているんだとか。

「ハングリーズ」に「はいふり」コラボ商品の「よこすか海軍カレー」が……かなり浮いてますね。

「ハングリーズ」に「はいふり」コラボ商品の「よこすか海軍カレー」が……かなり浮いてますね。

以上、おまけ含めて怒涛の33枚をお送りしました。お読みいただいた方、ありがとうございました!