あなたは大丈夫? 同人即売会で嫌われやすい「語りたがり」とは何か

お久し鰤大根。TEAM EX NOTESの餌に続いて、NKMR副編集長のサンドバッグこと銀杏です。

素敵なイラストを描く絵師さん、カッコイイ音楽を作る音屋さん、最高の物語を生み出す小説作家さんなど、創作の世界は、多種多様な素敵なクリエイターがいますよね。中でも、同人即売会ではそんな作家さんと直接交流が出来るので、憧れの作家さんと仲良くなってしまった!なんてことも稀によくあります。(人権コミュ力によって個人差有)

とはいえ、仲良くなれるかどうかは本人のコミュニケーション能力と、ぶっちゃけ運次第という、辛い現実の壁が存在しているのも事実です。実際、即売会前後になるとTwitterのRT等で、事実上の苦言と言える内容のツイートが回ってくるのを見たことがある人も多いことでしょう。

今回は、そういった苦言の対象の中でも特に目立ちやすい語りたがりについて、私個人の経験などを元に解説していきたいと思います。

そもそも「語りたがり」とは何か?

即売会に参加する人であれば、参加形態を問わず一度は聞いた事がある単語だと思います。しかし、その実態についてはサークル参加(あるいは売り子)の経験がある人でないとわからないのではないかと思います。よって、語りたがりとはそもそも何なのか?という疑問に行きつくわけですが、私がよくRT等で目にする要素と、実際に自分が経験した要素をまとめると、

「頒布物に興味はなく、作家や売り子本人と話をするためにやってきて、長時間スペース前を占有し、後ろや周りに列が出来ているかどうかは一切見ず、ひたすら自分の話をしてくる。」

といった感じにいろいろ出てきました。が、正直に言いますと、どこからが語りたがりでどこまでが語りたがりではないのかというのは、人によって考え方捉え方が異なってくるため、一概に定義付けするのもまた難しいというのが現状です。

ですので、今回は要点を絞り、

「長時間スペース前を占有し、ひたすら話をしてくる」

というように抽出し定義します。今回の記事ではこの定義を前提に進めていきます。

なぜ「語りたがり」は嫌われるのか?

では一体何故、「語りたがり」はここまで作家から嫌われるのでしょうか?

同人即売会というのは「来週のこの日に開催します!サークルさん是非参加してね!」といったような気軽に参加できるイベントではなく、何ヶ月も前から、募集期間内に応募し、規模によっては抽選を潜り抜けてスペースを獲得するというのが一般的です。そして、ようやく獲得したスペースで、自分の作品を見て知って手に取ってもらいたいという思いで参加しています。

さらに言えば、前回の記事(即売会に売り子さんを呼ぼう! でも◯◯は忘れてはいけません!)でも少し書きましたが、同人即売会は4時間~6時間という限られた時間で、如何に自分の作品を興味を持ってもらえるかが重要であり、言わば時間との戦いです。

つまり、何ヶ月もかけて準備し形にした作品を見て、知って、手に取ってもらえる期間はたったの数時間しかないという事です。そんな短い時間の中で「語りたがり」の人がスペース前を占有する事によって、作家さんは目の前を通る人へのアピールの機会を失い、その貴重な時間を棒に振ることになるというわけです。

とはいえ、同人即売会は「好きを共有する場」でもあるので、作品を楽しみにして買いに来てくれる人や、同じ趣味を持つ仲間と交流する事に重きを置いている作家さんも、当然ながらいます。でもそれは、お互いの会話のキャッチボールが成立している事が前提であり、一方的に自分の話を相手に投げ続けるのは交流でもなんでもありません。

例えば、職場の先輩や上司から、興味のないゴルフとかの話を延々聞かされたり、学校や部活の先輩の武勇伝(大爆笑)を何十分も聞かされるのって、苦痛ですよね? 私は苦痛です。それと同じようなものだと思っていただければ、どのくらい迷惑な事なのかご理解いただけると思います。

「語りたがり」がスペースに来た人の体験談

ここまで、「語りたがり」がどのくらい迷惑であるかを説明しました。では実際に語りたがりがスペースにやってきた時、作家さんはどのように感じ何を思っているのでしょうか?実際に、自分のスペースに語りたがりが来た経験があるという人に、お話を伺ってみました。

Case1:Yさんの場合

『それなりに前から交流のあった方(A氏とします)なんですけど、実際に私のスペースに挨拶に来てくれて、それまでは良かったんです。でもそのあと、他の買い手の人も来るスペースなのに開けてくれなくて、A氏と仲の良い人の話…主に自慢話なんですけど、そういう話を長々として来たんです。来てくれるのは嬉しいんですが、正直ツイッターとかでやれば良いんじゃないかなあって思う内容ばかりでした…。』

これはよくあるパターンですね。自分や自分と仲の良い人の話ばかりしてくるというのは、Twitterでも苦言をよく目にします。この手のパターンは、話されている側はリアクションに非常に困るので特に嫌がられやすいですね。ちなみにこの時、作家さんや売り子さんはどうやってお帰り頂くかしか考えていません。

Case2:匿名希望さんの場合

『私がサークル参加すると毎回必ずやって来る人がいて、自分の現状を報告してくるんですよ。毎回長々とやられて困ってます。時間は大体3分くらいですかねー。自分語りに3分も拘束されるのはぶっちゃけ苦痛なので、どうにかならないかなって悩んでます…。』

こちらもやはり、長々と自分の話を続けられて困っている様子。何よりも注目していただきたいのは、拘束時間が3分ほどだと言っている点です。「たった3分じゃん!」と思うかもしれませんが、作家さんにとって、即売会における3分というのはとても貴重な時間なのです。

参考までに、コミックマーケット本番の6時間で200部頒布したい場合、平均1.8分に1部を売り上げる必要があります。売り子さんが複数いればともかく、一人しかいないスペースを長時間専有した場合、機会損失はどのぐらいになるでしょうか?

「語りたがり」は、どう対処すれば良いのか?

上の項目で、実際に語りたがりがやってきた方の体験談をご覧いただきました。では、未然に防ぐ事は出来るのでしょうか?また、実際に来てしまったらどうすれば良いのでしょうか?この項目では、それらの対処法の一部をご紹介します。

a.単刀直入に「退いてください」と言う

一番手っ取り早い手段ですね。『すいませんが、他の方もいらっしゃるので、そろそろ退いてもらっても良いでしょうか?』といった具合に、丁寧かつ単刀直入に言ってしまう事です。自分から言いづらいようであれば、売り子さんに言ってもらうのもアリです。直接『退いてほしい』と言われたら、相手も退かないわけには行かないでしょう。それでも退いてくれないようであれば、それは最早迷惑行為ですので、容赦なくスタッフを呼びましょう。

…こう書くと簡単そうに見えますが、実際に即売会の場に言ってみると、なかなか言い出しづらいものです。

b.他のスペースに用事があるフリをして、スペースを離れる

『あ、そろそろ○○さんの所に行かなきゃ!』とかなんとか言って、急いでる体を装ってスペースを離れるのも有効でしょう。語りたがりにとって目当ての相手がいないスペースに長居するメリットはほぼありませんので、自然と「じゃあ僕も(私も)この辺で」といった流れになるかと思います。(当然ながら、確実ではありません。)

ただし、場合によっては付いてこられてしまう可能性もありますので、手軽ではありますが、諸刃の剣であることも念頭に置いておきましょう。女性作家さんの場合は尚更、注意が必要です。理由は言わずもがな。

c.グラサンスーツの屈強な男性を売り子に呼ぶ

一見ネタのような方法ですが、案外効果があるみたいです。実際に私の友人(女性作家)が、某大規模即売会において、このような剛撃+5一閃+3装備格好の男性売り子2名を呼んだところ、語りたがりのマシンガントークに付き合わされる事なく即売会を終えることが出来たそうです。ちなみに、私のようなモヤシがスペースにいても全く抑止力にならず、10分ほど話し込まれるなど活動は多岐に渡りますのでご注意を。

とはいえ、ここまでやらずとも素直に男性売り子さんを呼ぶだけでも、語りたがり(特に、出会い厨属性を含むタイプ)を警戒させることが出来るので、そのような相手に困っているという方は、是非実践してみてください。既に実践されてる方が多いとは思いますが…。

最後に

以上、中々に現実的なお話だったと思いますが、如何でしたでしょうか?

憧れの作家さんと仲良くなりたい、親しくなりたいと思っている人はたくさんいます。それは作家さん同士でも同じことで、「語りたがり」と呼ばれる人は、一般参加・サークル参加等の形態を問わず、存在します。だからと言って自分の都合ばかり考えて相手の都合を無視してしまっては、仲良くなれるどころか遠退いてしまうことでしょう。

ですが、この点をしっかり気を付ければ、仲良くなれる可能性はマイナスからプラスへと変わります。思いやりをもって、皆が楽しい即売会にしましょう!

次回は、サークルさんにとって有益な情報を提供できる記事を書ければと思っています。(思ってるだけ)