こんにちは、みなさん初めまして。吉備ヒビキと申します。
EX NOTESの皆さんに誘われて喫茶店に出入りしていたら、気づいたら記事を書くことになっていました。このサークル怖い。
「素人が絵を練習する過程を記事にせよ」との指示なので、そんな感じの記事を上げていきたいと思います。
私は元々SSや小説を書いている人間なのですが、その挿絵のようなイラストが描ければいいなぁと思っていて、昔から絵の練習自体はやって少しずつやっていました。しかし、練習しては挫折、練習しては挫折・・の繰り返しです。
挫折する理由になったのは、「この練習方法が本当に正しいのかどうかわからない」「練習する場所が多すぎてどこをやればいいか分からない」といったことです。
絵の練習は期間でいえば4,5年くらいやっていますが、まともに絵が描けません。間によく挫折しているからです。
私は考えました。どうすれば、挫折せずに絵を上達できるだろう?
そのことをEX NOTESの喫茶店で相談してみたところ、「練習方法を教えてくれるプロに指導をお願いすれば良いのでは?」と言われ、記事のネタにもなるから指導を受けてこいということになりました。同じような感じでいつも無茶振りされているフチヤモリさんが大変だなと思いました。
描きたい絵の目標
最終的に描きたい絵は、京アニに出てくるような色彩管理がしっかりしたドラマ性のある絵、線画は萌え系寄り、塗りは少し淡目でRGBそれぞれがバランスよく配置された優しい塗り方。
「氷菓」や「中二病でも恋がしたい!」のような色彩管理に、溝口ケージや最近のカントクのような線画と塗り・・・といえば通じるでしょうか。
実際に描いた物
しかし、現実はコレです。
……分かっています。分かっています。ダメダメですよね。生きててすみません。
このような目標と、月とすっぽんぐらいの差がある自分の練習物を持って、今回個人指導をしてくださるS先生(以降、先生と称します)に練習をしたい旨を伝えました。
アニメのような絵を描くのに必要なスキルは何?
結果は即答で、
「デッサン力が必要」
といわれました。
デッサン力とは何なのでしょうか? 先生曰く「見たものを正確に描く」ということだそうです。
見たものは、三次元の立体でも良いし、二次元の絵でも写真でも良い。とにかく、「見る」のではなく「観る」力を身に付け、それを「描く」ことが大切とのことでした。
いろいろな疑問が湧いてきます。次のようなことを質問してみました。Qが私の質問で、Aが先生の答えです。
Q. 平面のイラストを模写するのと三次元の立体をデッサンするのとでは、「観て描く」の意味が違うと思いますが、どうなのでしょうか?
A. 確かに違うけれど、どちらをやっても「観る」力は身に付くので、模写でもデッサンでもどちらでも良い。
Q. 模写とデッサン、どっちをやったほうが良いでしょうか?
A. 楽しんでやれるほうが良い。アニメ系の絵を描きたいのであれば、好きなイラストレーターや作画監督の絵をひたすら模写したほうが良いと思う。デッサンは退屈だし辛い。
Q. 模写がうまくいかない時はどうすればいいですか?
A. トレース。模写するには観察力と作画力の両方が必要になる。模写はその双方を磨く良い方法ではあるが、最初の方は両方共足りずにうまくいかないことも多い。そういう時はトレースして描いてみても良い。トレースでも、線は自分の線になるし、元絵と微妙な違いが出てくるので、学べることは多い。
Q. 模写するときの見本の絵師さんは複数名用意したほうがいいですか?
A. まずは一人に絞ったほうが良い。複数名を用意すると迷ってしまう。一人に絞って模写をしても、そのうち段々自分の絵柄というものが出てくる。
Q. 1枚1枚にかかる時間が長すぎて心が折れそうなときはどうすればよいですか?
A. 描く量が多いと大変なので、例えばバストアップに切り取る、手だけを描く、といった形で、模写する元の情報量を減らせば良い。ただし、切り取った部分の模写はしっかりと行うこと。
Q. 模写するときに完成しなかった場合、何枚も書きなおして同じ絵を模写すべきですか?
A. トレースして修正していったほうが良いが、主観でもいいから「完成させる」ことを目標にしたほうが良い。「完成した」と思える絵を増やして、それを私のところに持ってきてほしい。
Q. 先生はアナログで描いているようですが、ペンタブを使っても良いのですか?
A. どちらで描いても良いと思う。ただ、ペンタブよりも紙に描いたほうが潰しが効くイラストレーターになれる。たまにデジタルでしか描けない人もいる。ただ、そういう人たちが悪いかといえばそうでもない。誰でも苦手分野は出てくるものだから、そういったところを補える人とタッグを組んで描けばいい。業界ではそういうことは日常茶飯事。
プロのイラストレーターに話を聞くと面白い。
その他、次のようなことを教えてもらいました。
- 美術系の学生がデッサンの時に鉛筆を石膏に向けているのは、鉛筆の長さで対象物の比率を割り出しているため。
- お金を払ってヌードデッサンに出掛けてみるのもいい。決められた時間でモノを描ききらないとダメな上、それなりに金を払っている以上必死になる。
- SNSとかブログに定期的に物を上げていこう。Instagramとかでもそれほど上手ではない絵はたくさん上がっているから、あまり気にする必要はない。
→だからといってここに上げるのはどうなのでしょうか・・・。 - 「キャンバスに大きく描けないとダメ」と言われているが、実際は描きづらいので、小さく描いても構わない。特に最初のうちは。
- 大事なのは「最後まで描ききること」「楽しんでやること」
- 絵だけで食っていくのは大変なので、だいたいみんなデザインや印刷を平行して仕事にしている。
- 最近はクラウドソーシングなどで絵の単価が激減している。
といった感じで、ここには書けない業界の裏事情などもいろいろ教えてくれました。先生さすがです。
次回のレッスンまでの、先生からの宿題は以下のとおり。
これからどうやって練習していくか?
早速色々と吟味してみた結果、真似したいイラストレーターは、アニメーターの王國年さん(「艦これ」「はいふり」作監、劇場版「アイマス」原画、劇場版「まどマギ」第二原画など)に一方的に決定。
この人はTwitterアカウントでも色々な絵を上げていますし、アニメのキャプからも絵を拾ってくることはできるので、当分模写の題材には困らないと思われます。
アニメのキャプやネットに上がっている画像の模写と平行して、目の前にあるものを描く、いわゆるデッサンについてもやってみようかと思います。模写はデジタル、デッサンは鉛筆+スケッチブックです。
しばらくの間続けていけるといいなあ・・・。