同人サークル必見!CDプレスにおすすめの業者と選び方(2018年版)

2018/1/29 読者の方から情報提供があったので、「ディスカバリーファーム」さんの情報を追記しました。

こんにちは、編集長の神乃木です。

音楽ジャンルでの同人活動をやっていると、プレスでCDを作りたくなることがあると思います。

普段使いの業者を知っていればともかく、特に「初めてCDプレスをしたい」という方には、どんな業者を選べば良いのか分からないことも事実。

そこで今回の記事では、CDプレス初級者から上級者まで安心して使えるオススメの業者とその比較を行っていきたいと思います。

CDプレス業者を比較するポイント

CDプレス業者の比較をする場合には、検討すべきポイントがいくつかあります。

ここでは最低限比較しておくべきカタログスペックとして、以下の3点をまとめてみました。

海外プレスか国内プレスの違い

CDが海外プレスなのか国内プレスなのかは、CDのクオリティにはあまり影響しないのですが、納期と料金を決める上で大事な比較ポイントです。

国内プレスの場合は納期が短くて料金が高く、海外プレスの場合には納期が長くて料金が安い傾向にあります。

それ以外の部分では、ジャケット印刷の品質が国内より落ちると言っているところもありますが、一般的にはそんなに見劣りするものではありません。発色等にこだわるなら国内を選ぶ方が良いですが、そうでなければ海外プレスでも十分に戦えると思います。

ただし注意すべきポイントとして、台湾の祝日の時期に被る場合、海外プレスの納期が大幅に伸びる場合があります。台湾プレスで、特に2月(春節)10月(国慶節)頃の納期を考えている場合は要注意で、事前に業者への確認を行っておきましょう。

同人イベント会場への直接搬入を受け付けているか?

一般的な同人イベントでは、事前の搬入は、ヤマト運輸や日本郵便等の宅配業者による「宅配搬入」をメインで使用します。その一方で「直接搬入」ができるイベントもあり、これは印刷所や業者が、イベント当日に直接会場内の指定のスペースまで納品してくれます。

つまり、宅配搬入だと事前の発送が必要であるのに対し、直接搬入ならイベント当日の搬入になるため、直接搬入の方が締切を伸ばせる傾向にあります。

宅配納品にはほとんどの業者が対応していますが、イベント搬入ができる業者は限られてくるため、自分が頒布したいイベントへの直接搬入ができるかどうか、必ずチェックしておきましょう。

支払い方法について

意外と見落としがちな部分として、支払い方法というものもあります。

クレジットカードでの決済ができる場合、カードの支払をイベントの後にすることで、イベントの売上の一部をプレス代に充当することができるため、イベント前の金銭的な負担を下げることができます。

同人イベントでの資金繰りテクニックは色々なものがありますが、イベント前は交通費や宿代等のお金が入用になるため、プレス代をカード払いにすることを検討しても良いでしょう。

現金払いの場合にはオプションや料金を優遇する業者もあるため、どういった支払ができるかについては事前に確認しておきましょう。

おすすめのCDプレス業者

では、最低限のカタログスペックを確認したところで、ここからは実際に比較をしていきたいと思います。

比較の際の基準
標準料金(税込)、標準納期については、ジュエルケースCDプレス500枚、盤面フルカラー、ジャケット4P/4C+インレイ+オビで計算したものを掲載しています(2018年1月算出。イベント時には料金変動に注意)。

テックトランス

所在地:東京・新宿→URL

海外プレス国内プレス
標準納期11営業日9営業日
標準料金83,700円(税込)97,200円(税込)
支払い方法カード / 銀行振込 / 銀行ネット決済 / 代引 / 店頭支払
特色同人イベント直接搬入実績多数、WEBからDDP入稿可能

言わずと知れた有名どころのテックトランスです。同人イベント会場への直接搬入実績も多く、海外でも問題ない品質、それなりの価格競争力を持っているため、同人イベントになるとたくさんのサークルでテックトランスの箱が並びます。

私も過去数回使用していますが、特に目立ったトラブルもなく、品質の良いCDが送られてきます。入稿作業から支払をオンラインで完結できるほか、オンラインでのDDP入稿にも対応しているのがポイントが高いですね。

初心者でも丁寧に教えてくれたという評判もあり、初級〜上級者まで安心して使える業者といえるでしょう。

DDP入稿とは?
通常音楽CDの入稿は、マスターCDと呼ばれるCD-Rを送付しますが、それに代わってDDPと呼ばれるディスクイメージファイルを送付することで、そのデータをそのままプレスしてもらうこともできます。

CD-Rへのプレスと違って、書き込みエラーやメディア発送のコスト(時間)を抑えることができるため、知識さえあれば利用したいデータ作成方法です。

なお、「DDP入稿可能」と謳っていても、DDPをCD-RやDVD-Rに焼いて宅配便で発送しなければならない業者もあるため、オンラインで送付できるかどうかはきちんと確認しましょう。

底値プレス

所在地:東京→URL

海外プレスのみ
標準納期6営業日
標準料金67,000円(税別)
支払い方法銀行振込
特色通関時に消費税加算

底値プレスは、海外プレスにも関わらず6営業日発送が魅力のサービスで、台湾の工場と直接やりとりすることで短納期・低価格を実現しています。

Webサイトは若干分かりづらいものの、バルクはもちろん、印刷の品質も国内と比較しても遜色ないクオリティで、個人的には三光メディアよりもレベルが高いように感じます。

ここの特徴として、発送が台湾から直接になるため、税関で消費税が加算されることに注意が必要です。金額はプレスした金額にもよりますが、500枚の場合だと概ね2000-3000円程度の加算になります。

とにかく短納期で仕上げることができるので、プレスを諦めた人も相談してみる価値がありますね。

三光メディア/ CLOUD 9

所在地:大阪 三光メディア→URL CLOUD9→ URL

海外プレス(三光メディア)国内プレス(CLOUD9)
標準納期12営業日10営業日
標準料金64,800円(税込)62,800円(税込)
支払い方法銀行振込のみ
特色イベント直接搬入無し、データ確認料+3000円、盤面作成費+5000円(国内のみ)

とにかく激安と評判の、三光メディアとCLOUD9(クラウドナイン)です。盤面作成費がかかるため、総額は海外のほうが安くつきます。

支払は銀行振込のみ、イベントへの直搬不可という条件はついてきますが、この金額はかなり魅力的で、周りでも利用している人たちの声を多く聞きます。

印刷物を見る限り、CLOUD9の国内プレスを使ったとしても、上記のテックトランスと比べると若干発色が落ちる感じはありますが、違う業者で同じCDを複数刷ることはほぼ無いと思うので、気になることはほぼ無いでしょう。

三光メディアとCLOUD9は姉妹会社ですが、決済やデータの融通はできないので、海外プレスで申し込んだが締切間に合わないので国内に変更します」といったことは出来ないので注意しましょう。(テックトランスはできます)

なお、国内プレスのCLOUD9では、3500円プラスすることで納期8営業日に短縮できるため、納期がまずいときには特に検討したいですね。

KIND MUSIC

所在地:愛知→(URL)

海外プレス国内プレス
標準納期14営業日12営業日
標準料金99,252円(税込)116,316円 (税込)
支払い方法銀行振込のみ
特色イベント直接搬入有、サポートが手厚い、初心者におすすめ

KIND MUSICは、料金は若干割高になるものの、サポートがとても手厚く、締切も融通が効く(常識の範囲内で)ことで評判の業者です。

CD制作初心者のうちは、特にデザインデータの作成で躓きがちです。KIND MUSICでは、他社ではそのまま印刷してしまう(そして失敗する)ようなミスがあったとしても、業者側、工場側の双方でチェックを行ってくれ、確認を挟みつつ修正をしてくれます。

仕上がりに関しても申し分なく、オフセット/シルクともに綺麗に出してくれます。

幾つかの業者を使ったことがありますが、サポートの丁寧さでは群を抜いているので、特にプレス初心者の方におすすめの業者としてピックアップしました。

ディスカバリーファーム

所在地:北海道(URL

海外プレス国内プレス
標準納期20-25営業日取扱なし
標準料金93,000円(税込)
支払い方法クレジットカード・銀行振込
特色サポートが非常に手厚い、初心者におすすめ

北海道のミュージシャンなら知らない人はいないレベルで有名な、創業約20年の老舗のプレス屋さんです。

プレスサービスの他にレコーディングスタジオも経営しており、スタジオエンジニアさんが常駐してます。このため、オプションで音飛びがないか、ノイズが入っていないか、音量バランスは良いか等のマスタリングの最終チェックをプロのエンジニアさんがしてくれたり(DDP入稿時は不可)、マスタリングをお願いしたりすることができます。

マスターチェックを1度お願いしたところ、自分が全く気づかなかった僅かなクリックノイズがある事を発見してもらえました

また、印刷類を自分で入稿する際、ブックレットや盤面などのデザインの際は必ず問題がないかチェックしてくれます。

表記では、海外プレスで20営業日(デザインチェックの期間含む)ですが、これより伸びたことなく、過去3回のオーダーは概ね確認後2週間程度で送られてきており、エラーや印刷の手違い等は一切ありませんでした。

初めてCDプレスをした時も、メールでの対応がとても親切丁寧で安心だったので、CDプレス初心者に大変おすすめです。

(読者のだいすけP様からの情報提供)

300部なら、バルクプレス+手作りジャケットという選択肢も

ここまでで4つの業者を紹介してきましたが、「CDプレスはしたいけど、いきなり完パケはちょっと……」という場合には、バルクプレス+手作りのジャケットという選択肢があることもお伝えしたいと思います。

特に、CD-Rコピーがしんどくなる300部以上500部以内ぐらいの部数のときに有効で、普通の作品はもちろん、デモ版やプレビュー版でも効力を発揮します。

具体的には、CDをプレスで作成し、ケースをDVDケース+セルフでジャケット封入するという方法で、これにより制作にかかる費用を削減しつつ、それなりの仕上がりを得ることができます。

例えば300部刷る場合、ジュエルケースだと最安値の三光メディアでも57,600円(2P)かかります。

バルクの場合、三光メディアで300枚で19,100円、DVDケースはAmazonで3980円x3=11940円、ジャケットは2850円(4c/10日)と、合計33890円で制作することができます。

どうしてもジュエルケースにしたい!という希望がないのであれば、頒布価格も抑えられるこの方法も便利なので、是非検討してみてください。

関連記事:サンワサプライのDVDケース用ジャケットを印刷するためのテンプレートを配布します

おすすめ業者情報を募集中!

以上、今回はカラーの違う3つの業者をご紹介してみました。この3つ以外にも、「プラチナディスク」「CD PAC」などの業者があるものの、身の回りで利用した情報がないため、現在はまだ掲載していません。

もし、上記の業者の利用体験談や、それ以外でもおすすめの業者情報があれば、随時更新しますのでぜひお寄せください。