みなさんは作業用BGMを聴くときに何を使っているだろうか?
パソコンの内蔵スピーカーやiPhone付属のイヤホンを使っている方が多いのではないだろうか。
もちろんそれでも十分だ。
しかし、「着用していると疲れる」「音質が悪い」といった悩みを抱えている人はいないだろうか。少なくとも私たちには、そのような相談が寄せられることが、結構な頻度である。
というわけで、今回は、作業用BGMリスニングが捗って、さらに作業も捗るかもしれない長時間作業に向いているヘッドフォンを紹介していきたい。
紹介するといっても、その価格帯を決めないと、HD800かK812(共に市場価格10〜15万円程度)を買え!とか、ねこむろが以前所有していたHD700(市場価格10万円前後)をオススメして終わってしまうが、「ヘッドホンにそんな金出せるわけねえだろ!」という方が大半だと思うので、今回は値段を〜3万円程度に設定し紹介する。
オーディオ沼に大概沈みかけたメンバーのねこむろも、紆余曲折を経て、3万円以下の機種(beyerdynamic DT770Pro/250Ω 市場価格2.2万円前後)を愛用している。
紹介、その前にヘッドフォンを選ぶときに大切なこと。
「このヘッドフォン最高!」といくら言われても買う前に確かめた方がいい事がひとつある。
それは装着感だ。
どんなに音が自分好みでありデザインがイケていたとしても、使用していて痛みや違和感を感じてしまっては台無しである。
装着時の耳への圧が強いと、長時間使用すると痛みが生じる事が多いのだ(眼鏡をかけている人は特に注意してほしい)。
また、ヘッドフォンが大きすぎた場合、装着してもゆるゆるでズレてくる……なんて事になれば落ち着いて作業もできないだろう。
安い買い物ではないので、可能であれば購入前に装着感を確かめる事を推奨する。
また、開放(オープン)型のヘッドフォンは文字通り音が外に思いきり漏れる。
音量によるが、少なくとも隣に座ってる人には確実に聴こえると思われるので注意して欲しい。
編集部厳選 オススメヘッドフォン5選
さて、ここからは本題のヘッドフォン紹介をしていこう。写真をクリックすると販売サイトにジャンプするぞ。
オーディオテクニカ ATH-AD1000X(開放型)
実勢価格 税込 30,000円前後
我らが日本のメーカー、オーディオテクニカのヘッドフォンである。
少々低音が弱いものの、解像度がよく、音の広がりが心地よい機種だ。クラシック系統の高音が美しい曲にぴったりな音質である。
ATH-AD2000X(市場価格5万~6万円前後)の下位機種ではあるが、殆どの人はぱっと聴きでは違いがわからないと思うのでオススメである。違いがわかる人は大人しく5万円払ってね…。
ゼンハイザー HD598(開放型)
実勢価格 税込 25,000円前後
通称プリン。
高級車の内装のようなカラーリングが好みを別けそうではあるが、色っぽい音質がとても気持ちが良い。構造が縦長なのでオーディオテクニカのADシリーズの付け心地が合わない人は試してみるといいだろう。
上で紹介したATH-AD1000Xと比べると低音もしっかりと出るので比較的ジャンルは選ばないヘッドフォンだ。
オーディオテクニカ ATH-A900Z(密閉型)
実勢価格 税込 23,000円前後
オーディオテクニカのリスニング用ヘッドフォンの密閉型シリーズの一つ。写真では黒に見えるが側面の部分は暗めのカッコいい青である。
開放型のADシリーズと同じくとても付け心地がよく、音質もバランスが良いのでリスニングから映画鑑賞まで幅広く使えるだろう。
ゼンハイザー MOMENTUM G(密閉型)
実勢価格 税込 37,000円前後
特徴的な外観と折りたたみの出来るヘッドホンで、珍しいアイボリー色を採用しているゼンハイザーのモバイル向けのヘッドホン。
外でも音漏れを起こさないようHD598に比べて締め付けが強くなっている。音は外で使うことを想定されているためかやや迫力を強調するような音作りになっている。
ゲームのサントラやEDMなどを気持ちよく聞けるヘッドホンだ。
また、下位モデルのMOMENTIUM ON-Ear(実売価格15,000円、若干品薄気味)は、洗練されたデザインを維持しながらもコンパクトで軽量、かつ多彩なカラーバリエーションを備え、外でヘッドホンするときにデザインが気になる…という方でも扱いやすい物となっている。音質は流石に上位機種の「MOMENTUM G」には及ばないものの、同価格帯のイヤホンよりは良い音が出る。今のイヤホンに不満がある方や、「37000円はちょっと高い……」と感じる人のアップグレードには向いているだろう。
ベイヤーダイナミック DT 880 E/32 S(半開放型)
実勢価格 税込 33,000円前後
ねこむろの愛用しているDT770Proと同じbayerdynamicのヘッドホンで、セミオープンタイプの物。770Proと比べて低音の量が少ないものの、中~高音は透き通るような音が出る。
比較的重いのが難点だが、締め付けがあまり強くなく長時間付けてても肩や首への負担があまり感じられない。
USB-DACも一緒に検討されたし
ところで、ヘッドホンを新調した後には、ぜひ試してほしいことがある。
それは、パソコン本体にヘッドホンを直接繋ぐのではなく、USB接続のDACにヘッドホンを繋ぐということだ。
パソコン本体のヘッドホン端子は、基盤部分やいろいろなノイズを受けやすい環境にあり、使われているパーツもあまり高級品とはいえないことが多い。これでは、せっかく奮発して購入したヘッドホンやオーディオ機器も持ち前の性能を活かせなくなってしまう。
そんな時、ノイズに強く、接触部分のパーツがしっかりとしたDAC(Digital to Analog Converter)の出番となる。元々はデジアナ変換機を意味するものだが、今ではUSBで簡単にPCに繋げる機種が増えた。
USB-DACは、ヘッドホンとパソコンの間に挟まるUSB機器だ。USB-DACがある環境では、ヘッドホンはパソコンではなくDACに繋ぐことになる。DACのライン出力を使用し、さらにヘッドフォンアンプ単体を用意するガチ勢も多くいるが、この場では割愛しておく。(この沼底なしだし…)
なお、弊サークルのフチヤモリがそそのかオススメされた結果、TEACのHA-P50というiOSやAndroidでも使用可能なポータブルUSBDACを過去に購入している(参考:その後、 機種のHA-P50SEが発売されている)。
USBDACもヘッドフォンと同様に価格帯が広く、数千円から数百万まである広い世界な為、予算に応じて選ぶことができるだろう。
これからの季節は、夏コミに向けて作業の追い込みをする人たちも多いかと思うが、作業用BGMを高音質で聴ければ作業のモチベーションが上がる人もいるかもしれない。
ヘッドホンにせよ、USB-DACにしろ、これらは「音楽を聴く」という行為に、新たな楽しみ・喜びを与えてくれるものなのは間違いない。もし、日頃の作業にマンネリを感じている人がいれば、「リスニング環境の見直し」というのも、一度考えてみてはいかがだろうか。