こんにちは、神乃木です。
読者の方にはカメラで写真を撮ることが趣味な方もいらっしゃると思いますが、こんな悩みをお持ちの方はいらっしゃいませんか?
それは、「何となくパッとしない写真になってしまう」というもの。
「パッとしない写真」にはいくつか理由がありますが、私としてはその理由の一つとして「水平がキチンと取れていない」ことを挙げてみたいと思います。
水平がきちんと安定していれば、風景写真は結構綺麗に仕上がります。今回はその「水平」をきちんと取るために必要不可欠な水準器についてお話したいと思います。
水準器とは?
水準器とは、カメラや三脚に取り付けて使用する、液体の入った計測器やデジタル表示のメーターです。
一眼レフの一部には搭載されている機種もありますが、外付けで下記のような製品を取り付けることもできます。
これを見ながら撮影することで、現在カメラが傾いているか、そうでないかを確認することができます。
水準器を使用しない写真
以下は水準器を使わずに撮影した写真です。なんだかパッとしませんね。
水準器を使用した写真
以下は水準器を使い、水平を意識して撮った写真です。上の写真よりは安定感が出ましたね。(手すりが邪魔なことこの上ない……)
このように、水準器を用いて撮影することで、撮影中に水平に対する意識がしっかりと向き、結果として安定した写真を撮ることができるようになります。
水準器を使わずに撮った写真②
こんなのも、何枚か撮っていると結構あります。
水準器を使って撮った写真②
安定した構図です。
デジタル水準器を搭載している一眼レフ
水準器はもともと三脚などに付いているものでしたが、最近のデジタル一眼レフではファインダー内に水準器を収めたものも出てきました。
水準器を搭載しているデジタル一眼レフは、キヤノンとニコンでは概ね以下の通り。
- Canon:60D以降、6D以降、5D MarkIII以降、1Dx以降 など
- Nikon:D7100以降、D300以降、D700以降、D3以降 など
見ての通り、だいたい2007年頃以降に発売された中級機以上での搭載になっています。
また、ミラーレス一眼などはその特性上EVFに色々な情報を表示できるため、水準器機能を有効にすることでEVF内に水平を表示させることができます。ソニーのミラーレス一眼は概ねこの機能がついていると考えて良いでしょう。
水準器の使い方
水準器の使い方は簡単です。
三脚を使う場合、水準器は三脚とカメラ両方に取り付け、両方の水準器がしっかりと中央を示していることを確認しましょう。
手持ちで撮影する場合には、ファインダー内に水準器が表示されるタイプのものも簡易的に使えます。ファインダーを覗きながら、水平が崩れていないかをチェックしましょう。
私が使っているCanon 6Dの場合、ファインダー内に水準器が表示されるものの、シャッター半押しで合焦させると水準器が消えてしまう問題があるので、それなりに慎重に使わなければなりません。
このあたりはカメラによって使い方が異なりますので、一度お持ちの機種の説明書等を読んでみることをおすすめします。
ただし、カメラ本体に内蔵されている水準器を使うよりは、液体の水準器+三脚を使う方が遥かに成功率は高いです。
もしも水平が崩れた写真を撮ってしまったら……
とはいえ、水準器を使う暇がなかった、もしくは使ったけどタイミングが合わなかったなどで、水平が崩れた写真を撮ってしまうこともあると思います。
そんなときには、PhotoshopのCamera RAWで水平を修正してあげましょう。
PhotoshopはCC2015の途中から、Camera RAW上で便利に水平を修正する機能がつきました。
例えば以下のような写真をCamera RAWで開きましょう。そして、Shift+Tで変形ツールを開きます。
写真部分で傾いている水平線上に線を以下のように引きます。
これにより、緑色の点線を基準に画像が水平となり、ついでに自動でトリミングまでしてくれます。なるだけ使わないに越したことはないテクニックですが、いくら水平に気をつけていてもズレるときはズレるので、覚えておいて損はないでしょう。
デザインの現場などで、支給された素材の水平が狂っていた場合にも、Camera RAWフィルタを使って補正してあげることもできますね。
まとめ
以上、風景写真を綺麗に取るためのテクニックの一つである「水準器」を使うことについて簡単にご紹介しました。
本来風景写真は三脚を立てて腰を据えて撮るのが定石で、私も下記の三脚を使っています。
とはいえ、歩いている最中に見つけた風景などを撮る時など、三脚を使えないシーンは結構あります。
プロのカメラマンは水準器なんか使わなくても水平は取れますが、初心者だとなかなか意識するのは難しいもの。
偉そうに記事を書いている私も、しょっちゅうPhotoshopの水平補正のお世話になっている有様です。
とはいえ、水平がとれた写真とそうでない写真では圧倒的に説得力が違ってきますので、今まで意識していなかった方はぜひ意識してみてくださいね。