「ソニーのミラーレスはレンズラインナップ少ないし、そこまで拘らないから安いレンズ買えばいいや」
などと言いながら、行き詰ったDTMからの現実逃避の為にソニーのα6000を純正レンズと共に購入したのが去年の夏のことだ。
だが、家族がキヤノンの古いEFレンズ(でもそれなりに高いもの)を所有している為、私は「ソニーのミラーレスでEFレンズを使う方法はないか?」と考えるようになった。
調べてみると、中国製のマウントアダプターを用いることで、キヤノンEFマウント向けレンズをソニーEマウントで使用できることが分かった。
とりあえずは買ってみたものの、まともにオートフォーカスができない為、使用はマニュアルフォーカスメイン。EVFでファインダー内での拡大が可能なミラーレス機なので、MFでの撮影はそこまで苦ではなかったものの、若干の不便さは付きまとう。
「このEFレンズがオートフォーカスで使えたらなぁ……」そんな悩みを持ちながら撮影に勤しんでいたある日、衝撃的な製品が発表された。
突如SIGMAから発表されたMC-11
それは突然だった。
変態独創的でイノベーティブなカメラ・レンズメーカー、SIGMAから、ソニーEマウントボディでEFレンズが使えるマウントアダプター、MC-11が発表されたのである。もちろん予約して買った。
同社の対応レンズのみではあるものの、フォーカシングのストレスなく撮影する事が可能だそうで、気づいたら18-35mm F1.8 DC HSM Artや18-300mm F3.5-6.3 DC MACRO OS HSM Contemporaryが手元に生えていた。そして、気づいたらEマウントレンズが手元から消えていた。
この時点で既に最the高であったのだが、人間というのは欲深い生き物である。
今度は「キヤノンのEFレンズも常用できるスピードでAFできればいいのな〜」と思い始めたのだ。
上位機種のα6300+MC-11ではキヤノンEFレンズが使える……?
願いを叶えてもらうため、白くて目が赤い地球外生命体を探してみようか、とか荒唐無稽なことを考えてたそんな時、とある噂を耳にした。
「上位機種のα6300なら、MC-11などのマウントアダプターでEFレンズが快適に使用できる」
レンズによって正常動作しない場合もあるが、多くのEFレンズで快適なオートフォーカスがEマウントボディのα7 IIやα7R IIそしてα6300でも可能、とのことだ。
そして、それを実際に試したプロカメラマンの方の記事がデジカメWatchに掲載されたのだ。
電子接点付きEF-Eマウントアダプターを検証する(前編)
http://dc.watch.impress.co.jp/docs/review/date_lens/1004463.html
電子接点付きEF-Eマウントアダプターを検証する(後編)
http://dc.watch.impress.co.jp/docs/review/date_lens/1005379.html
EFレンズがほとんど動くぞ!こんなの買うに決まってる!
その記事を読んだ後、某量販店で家族が所有しているEFレンズ、 EF50mm F1.4 USMとMC-11の組み合わせをα6300で確かめた。
確かに実用的なスピードでAFが合焦するではないか。もうどうにかなってしまいそうだった。
その場ではぐっと堪えて帰宅したものの、翌日の仕事帰り、気がついたら私はフジヤカメラの紙袋を手にしていたのだ。(あーおわったおわった)
ハンバーグ pic.twitter.com/NeBgC3CCQq
— ミランダむろ (@dw_nkmr) June 22, 2016
この時、純正のEマウントレンズだけでゆるーくやろうと思っていた去年の私の目論見は、完全に音を立てて崩壊したのである。
この先に待っているのは、Eマウントレンズのみならず、EFマウントレンズも含まれたレンズの選択肢だ。沼とは程遠く、水たまりで遊ぶ程度の私には深度が深すぎる。
手持ちのEFレンズでも、MC-11の動作は良好だった
試したレンズは以下のとおりだ。
- EF50mm F1.4 USM
- EF28-70mm F2.8L USM
- EF100mm F2.8 マクロ USM
- EF300mm F4L USM
どれも発売してから20年以上経過しているレンズであるが、若干AFが迷うことがあるレンズがあるものの、これら全てのレンズが常用できるスピードでAFしたのだ。イヤッホォォォ最高だぜぇぇぇぇ!
ここ最近、ソニーEマウントレンズのラインナップは急増しているものの、やはり価格の割高感が否めない。
レンズ市場が成熟しているEFレンズは、純正・他メーカーを問わずこなれた価格で入手でき、写りも安心できるクオリティのものが多い。
もちろん、冒頭でも所有していると書いた、18-35mm F1.8 DC HSM Artとの相性も抜群であり、手放せないレンズになっている。(このレンズ本当に最高。お前らも買え)
MC-11の動作対象外レンズは物によっては全く動かなかったりもするし、使用は自己責任だが、ソニーでもEFレンズが選択肢として選べるのは、最高のイノベーションと言わざるを得ない。
シグマの本社に足を向けて寝られなくなってしまうほどに最高の製品といえるだろう。
ちなみに
シグマの一部のレンズは有償で異なるマウントに変更してくれるサービスを行っている。
例えば「ニコン用のシグマレンズを持っていたが、Eマウントのソニーのカメラに買い替えた後もMC-11を経由して使いたい」のような場合に有用なサービスだ。