物を売るとき、キズがあったり付属品が欠品していたりして、掲示されている買取金額から査定がガクンと下がってしまった………そんな経験はないだろうか?
今回の記事では、売却時に気になる減額要素があっても、動作に不具合がない場合に限り対象商品を一定金額で買取を行ってくれる、マップカメラの「ワンプライス買取」を利用し、その便利さが大変好印象だったので紹介したい。
なお、レンズの買い替えに関する話は前回の記事(ド素人がミラーレス一眼を買って3ヶ月で沼に落ちた話)にまとめてあるので、経緯についてはそちらをご参照いただきたい。
キットレンズは素晴らしい、とはいえ実際は……
PCパーツなどを「保守部品」と称し、いつまでも倉庫に眠らせている。
カメラ部品もそのつもりだった。追加でレンズを買い足すことがあっても、キットレンズは残しておこうと思っていた。きっといつか、使う時がくるからである。
最初に持っていたレンズは、M.ZUIKO DIGITAL ED 14-150mm F4.0-5.6 II(以下14-150mm II)だ。いわゆる「キットレンズ」である。このレンズの素晴らしいところは、「小型」「軽量」「広い焦点距離をカバー」という三点だ。
14-150mm(35mm換算28-300mm)の焦点距離の威力は大きい。特に、近いものと遠いものを両方撮りたいような場合は、撮影中にレンズを交換する時間がないことがほとんどだ。砂埃や雪が舞う屋外では、レンズ交換そのものがリスクになる。
そういった意味で、レンズ交換の手間が少なくなる14-150mm IIは非常に取り回しが良いわけだ。テレ端はF5.6とやや暗いが、よほどの暗所でない限り困りはしないだろう。
……といいつつも、実際に使ってみると、150mm(換算300mm)の望遠を使う場面はあまり無かった。撮った写真を改めて見返してみると、おおよそ30~40mm(換算60〜80mm)のものが多く、逆に14mm(換算28mm)では画角が足りないと思う場面のほうが多かった。マイクロフォーサーズの弱点は広角である。
より広い画角が欲しい……そんな気持ちから、私は追加でM.ZUIKO 12-40mm F2.8 Pro(以下12-40mm Pro)を購入したいと考えるようになった。
だが、そこで直面したのは「懐事情」である。
「保守部品」は何も保守しない
12-40mm Proの新品価格は約8万円。その予算を追加で捻出するのは、レンズキットを購入した後ではかなり困難であった。
もっというと、実は衝動的にM.ZUIKO 40-150mm F2.8 Pro x1.4テレコンバーターセット(以下40-150 Proと呼ぶ)も追加で購入してしまっているので、もはや後がない。
そして、もし12-40mm Proを追加で購入した場合、この2本で12-150mm(換算24-300mm)+テレコンバーターまでの焦点距離がカバーできてしまうため、キットレンズである14-150mmの出番はなくなってしまう。
私はこんな格言を知っている。
「『いつか使う』はずっと使わない」である。
これは、今保有しているPCパーツの山から学んだことだ。保守用に部品を残していても、実際は「保守」する場面が来る前に、大抵は新しいアーキテクチャのマシンを組んでいることがほとんどなのだ。
さて、現在所持しているキットレンズも、当初は「保守部品」の名目で売却を見送る予定だった。だがいい加減、何でもかんでも保守部品扱いするのはやめにしたい。
さらに調べると、レンズはPCパーツと異なり、中古でもそこまで値下がりが激しくないという。資金的な問題、収納スペース、買取価格等を鑑みると、今のうちに手放した方が良いような気がしてきた。
とはいえ、私は使わなくなったものを売る、という経験に乏しい。せいぜい、もう読まなくなった本を古本屋に売りに行くぐらいである。取引額は数千円になれば御の字。
他方、中古レンズを市場を覗いてみると、一般的なレンズの買取金額は約5万円付近をうろうろしている。こんな高額なもののやり取りはしたことがなかった。
懐事情が厳しいとはいえ、万単位の物を売ることにはかなりの抵抗がある。まずは調査ということで、私はカメラの買取に関して調べてみることにした。
キズ有・付属品欠品……こんな状態でも買取してくれるのだろうか
調べた中で、私の行動範囲内に店舗を構えているのは「カメラのキタムラ」だった。
しかし、売りたいものはキットレンズである。カメラの外箱に入っているレンズなのでレンズ単体の外箱はなく、説明書も欠品している。慎重に使っていたものの、この前の旅行の際、頻繁にカメラバックから取り出しを行ったため、鏡胴に擦り傷のようなものも見られる。
色々調べていくと、キタムラに限らず、中古カメラ店の多くは、レンズの査定に様々な条件が絡みあう上、担当をした人・担当をし店舗によっても査定額が異なりやすいということがわかった。「買取額が本来より低くなってしまうのでは?」「もしかすると、他の店舗では高く売れるものが、近所では安かったりするのでは?」そんな不安が湧いてきた。
そんな中で、ねこむろさんから教えられたのは、マップカメラの「ワンプライス買取」というサービスである。
Webを見る限り、欠品あり・キズありでも動作に支障がなければ、細かい条件によらず同じ金額で買取を行ってくれるとのことだった。ワンプライス買取には対象商品があるが、今回のレンズはその対象商品に含まれている。
これだ、と私は思った。
試写してから売るかどうかを決められる「先取交換」
さらにマップカメラのサイト内を覗いてみると、「先取交換」なるサービスも行っていることがわかった。
これは、「先に新しいレンズが発送され、交換商品と撮り比べることができ、その後交換商品の売却を行う」というサービスである。ちなみに、手持ちのレンズを売却しないことも選べ、その場合は通常購入と同じ価格での購入となる。
新しく買いたいレンズは、レビューサイトや作例からみても、現在のレンズよりも明らかに写りが良いことが自明である。とはいえ、購入した場合には持ち歩くレンズが都合2本になってしまうため、荷物がかさばってしまうというデメリットも生じる。
M.ZUIKO 12-40mm F2.8Proは自分にとって本当に必要なレンズなのだろうか?
これは実際に撮って考えてみるしかない。よって、こちらのサービスも利用することにした。
実際に利用してみて感じたこと
申込を行うと、レンズと共に返送用の梱包材や書類一式がまとまった箱が届いた。
ちなみに今回は、「スムーズ買取」という買取サービスを利用している。
一般的な郵送買取では、住民票のコピーが必要であり、発行するためにわざわざ市役所等で写しを取りに行く必要があるらしい。しかし、スムーズ買取ではこの手間が省略されており、指定日に集荷にくる運送業者に売りたいレンズと書類を渡すだけで買取が行われるとのことだ。店頭に出向かずとも購入と下取りが完結する、大変便利なサービスだ。
買取に必要な「身分証のコピー」「同意書」等を用意し、5/6の収集日までに、キットレンズと導入した2つのレンズの撮り比べを行う。
結果として、荷物は確かにかさばるものの、やはりその表現力に、私は魅了された。また、資金的な部分でも余裕がないことは明らかだったため、私はキットレンズを梱包し、運送業者の集荷を待った。
「満額買い取りしてくれるだろうか………」
一抹の不安を抱えながらも運送業者にレンズを託す。
GW中ということもあり、GW開け頃まで査定が出ることだろう……そんなことを考えていた。
だが、翌日に査定額が通知された。
結果は満額。まさに「ワンプライス」での買取だった。
最後に
今回は、ワンプライス買い取り+先取り交換により、実機の撮り比べが出来る時間があった上、購入金額(と心理的)負担をかなり軽くすることができた。
また、コンディションがやや不良・欠品があったとしても、一律金額での買取を行ってくれるというのは、売却経験の乏しい私にとって大変安心できるものだった。
もし必要のなくなったレンズやボディを売る機会があり、今までの買取額や買取の手続きに不満・煩わしさを感じている人がいれば、ぜひこのサービスを利用してみてはいかがだろうか。
少なくとも、私はとても満足している。
結果的に、周りから「沼」と揶揄されようとも、だ。