「イヤホンが断線した」という話を聴くことがよくある。どこかに引っ掛けたりすることで起きるのだが、これでイヤホンを断線させると、大変悲しい気持ちになる。
そして、「付属イヤホンではなんとなく力不足」「電車の中で使ってると周りの音が入ってくる」などの悩みを抱えている人にとっては、「なるべく良いイヤホンを買いたいが、外出時に断線させないか不安」という人も少なからずいるだろう。
断線以外にも、コネクタ部分が破損することで実質的にイヤホンが使用不可能になるケースもある。
そこで今回は、数あるイヤホンの中から断線やコネクタが破損しても捨てずに済む、「リケーブル」が可能なオススメイヤホンを取り上げたいと思う。
そもそもリケーブルとは何か
リケーブルとはずばり、ケーブルを取り替えられる、ということである。
「たったそれだけ?」と感じる方も多いと思うが、以下のようなメリットがあるのだ。
- ケーブルが断線・プラグが壊れても買い換えるより安上がり
- 純正ケーブルの取り回しが悪い場合で、ケーブル長を変更し適切なサイズにできる
- 純正ケーブルより耐久性の高いケーブルを選択し、長く使うことができる
- イヤホン側のコネクタが共通であれば、他の機種でもケーブルを使い回しできる
- ケーブルの色をある程度選べるようになる
- ケーブルによって音質が変わる(※個人の見解です)
特に1と2が最大のメリットだ。
仮にケーブルが断線しても、ケーブルのみの交換であればケーブルはおおよそ本体の半値以下販売されており、買い換えるより安く済む上、お気に入りのイヤホンを長く使う事ができる。
また、純正ケーブルではケーブルの長さが長めに取られていることが多いため、ポケットに入れるとケーブルが垂れてしまうようなこともある。
しかし、リケーブルが出来るイヤホンであれば、自分の使うのに適切な長さのケーブルにすることで快適に使用することが可能になる。
筆者おすすめのイヤホン5選+α
今回はリケーブルが可能かつ、音質が優れ、コストパフォーマンスに優れたイヤホンを5つ選んでみたので参考にして欲しい。
Shure SE215 SPE
最も安価に手に入るリケーブルが出来るイヤホンの一つで、筆者が普段外出時に使っているイヤホンの一つ。
1万3千円という安価な値段の割には上位モデルに匹敵する音質を持ち、どんな音楽でもそつなく鳴らすことが出来る。ただしオーケストラや女性ボーカルなどは上位モデルのほうが優れているかも知れない。
EDMやJ-POP、電子音が中心であれば上位モデルより優れている部分もあり、とにかく迷ったら&最初の一歩を踏み出すにはうってつけのイヤホンだと感じている。
Westone W10
SE215より少し高いイヤホン。こちらはBAドライバーというヘッドホンと似た構造を採用したイヤホンで、特に中高音部が優れており、SE215に比べると音楽の細かな部分を体感することが出来る。
こちらはEDMやJ-POP、電子音よりはオーケストラやクラシック、ジャズなどのジャンルが得意。普段聴く音楽に女性ボーカルが多い人は、こっちのほうがより良い音に聞こえるかもしれない。
Sennheiser IE80
このイヤホンだけ他のイヤホンとコネクタが違う(独自規格)だが、古いのもあってサードパーティ製のケーブルが豊富なのが特徴。
SE215と比べると低音が強い傾向にあるが、このイヤホンには低音調整機能がついてるため、低音の量を調節することが出来る。中高音に関してはSE215より優れており、どんな音楽でも楽しめる。特徴としてはあまり音源が良くなくても程よく覆い隠してくれるので、ストリーミング再生とかyoutubeでも安価なイヤホンより高音質で音楽を楽しむことができる。
JVC HA-FX850
やや価格が上がるものの、IE80によく似た特性のイヤホン。
他のイヤホンと違い、木で作られた筐体を持つ。そのおかげからか独特の「艶」を持ち、女性ボーカル物が特に良い音と感じる。
モニター向けのイヤホンではないものの、音楽を楽しむという目的ならばIE80よりもこちらをおすすめしたい。欠点として、装着感が他のイヤホンに比べてあまりよくなく、遮音性も高くないことが上げられる。周りの音に邪魔をされたくないのであればイヤホンのコンプライ(耳に入れるシリコンやスポンジ状のもの)をより高遮音性の物にするといい。
Shure SE535LTD
筆者の随一のおすすめ品。5万円という値段は手を出しにくい……が、この機種は更に上位であるSE846などの10万円クラスのイヤホンと対等に渡り合い、ハイエンドヘッドホンとも勝るとも劣らない音を出す。
その音はとにかく癖の無さがウリで、それでいてモニターに特化したような音ではなく、IE80をよりスケールアップし、少しモニター用にチューニングしたような感じを受ける。
やや低音が少なく感じるが十分以上には鳴っており、コレ以上の低音を求めるならばBeatsなどのイヤホンになるだろう。
ATH-IM03
なお、編集部ねこむろはオーディオテクニカのATH-IM03を愛用中。
音のバランス・解像度ともに良く、高音の鳴り方がとても気に入ってる。
イヤーモニターである為、遮音性も良く、純正ケーブルが約3,000円とお手頃。
ケーブルのイヤフォン本体側の根本辺りにワイヤーが入っており、耳にかけやすく丈夫であり快適です。
まとめ
非常に私見が多くなってしまっているが、何を買うか迷ったらよく聞く音楽のジャンルを考え、もし電子音やEDMなどを多く聞く場合はSE215SPE、クラシックやオーケストラなどを聞く場合はW10を推したい。
どちらも比較的入手しやすく、耐久性も同価格帯から比べると秀でている。
また、機会があるならばイヤホンの試聴をしにいくのも手だ。イヤホンを置いている多くの店では自分のスマホや音楽プレーヤーを持ち込んで試聴できるので、お気に入りの音楽を入れて試聴をしにいくと意外な発見があるかもしれない。
そして、是非購入をきっかけにたくさんの音楽を聴いてみてほしい。
いい音楽をいい音で聴くというのは、確実に日々の生活の質が向上するものである。