もう少しだけ。伊東への道のり
初日の出を見終えて帰ろうと渋滞している車達の合間を縫うようにスルーし、あっという間に真鶴駅前まで戻ってきました。
ここで友人T氏から提案が。
「更に南に下ると、伊東駅があるんですよ。そこまで行って伊東ライフしません?」
……何を言っているんだい君は。
まぁ……でも
せっかくだし行くか。と言う事になりました。オタクはその場のノリで旅程を伸ばす。
実は私は前日が出勤だったことにより既に連続活動時間が24時間を越えていましたが、安直にも彼と共に伊東まで更に走ることにしました。
当初の予定では真鶴駅から輪行し帰宅予定でしたが(その為当初は行程を65km前後と見積もっていました)、このまま伊東駅まで向かい初めて来た伊豆を満喫することとしました。
行きで走った135号線へ戻り、ひたすら南下します。
ここでGoogleMapによる衛星画像を見てみます。
この衛星画像を見るとよく分かるのですが、駅周辺に広がるそれぞれの街は山々により区切られています。
つまり、伊東まで街々を通る度に海抜5m前後まで下っては標高90m前後の山腹まで上り、また街へ下るの繰り返し。これはデブにはきつい。上りで体力を削られ、下りで精神力を削られます。
中々ハードな行程ですが、しかし頑張った分のご褒美もあります。車では中々出来ない、視界に入った素敵な景色や気になる物を好きなタイミングで路肩に止まり撮影できること。
自転車旅ならではの、道を最大限に楽しめるというメリットがそこにはあります。
ここで伊東までの道で思わず撮った写真をいくつか紹介します。
好きなタイミングで、好きなものを撮影できる。
カメラオタクと自転車のシナジーは本当に高いですね。
国道135号旧道との出会い
熱海市を過ぎ、延々と続く上り坂のトンネルを抜け、次の新宇佐美トンネルが見えた頃。左側に気になる道を見つけました。
「新宇佐美トンネル」と書かれた看板を背負う大きなコンクリの台座は、無造作にもその左側の道にはみ出て置かれています。まるで「誰も通らないのだから邪魔にならないでしょう」とでも言うように。
ガードレールにより車は進入できませんが、自転車なら話は別。ガードレールの合間には丁度自転車や歩行者が余裕もって通れる隙間が空いてます。進入禁止とは書かれてないからダイジョーブダイジョウブ。
オタクの旅は直感が大事。いざ、左側の道へ!
これはもう立派な廃道ですね。対向車線が半分近く自然に飲み込まれつつあります。冬特有の枯れ木に満ちたコントラストの低い色合いが、廃道にすごくマッチングしています。
右側の車線はもはや所々舗装が割れ、小さな木や草が身を伸ばしていました。
かつて人々に利用された道が確かにここにあり、そして役目を終えた今ゆっくりと自然に還りつつありました。
左車線にはそこまで古くは無いであろう轍があるので、おそらく何かしらの土木作業の車両が未だにたまに出入りしているのかも知れませんね。
ゆっくりとペダルを回し、せっかく出会えた廃道を踏みしめていると不意に左側の視界が開けました。
ガードレールの先は断崖絶壁。遮る物など何一つありません。乗り越えようものなら眼下の海岸線まで何十メートル転落必至。ガードレールには枯れた蔦が絡まり、潮風による影響か白かったであろう塗装は無残にも赤錆びにまみれています。
そして、ガードレールの彼方に広がるのは……。
ひたすらの、絶景。
一切人の手が入らない、隔離され自然のまま残された伊豆の海がそこにはありました。
遙か眼下に広がる石だらけの崖岸線。
透き通り海底すら見渡せる海。
深い木々に覆われた急傾斜の山腹。
一体どれだけの人がこの素晴らしい景色を見れたのでしょうか。現役時代は伊東方面へ向かう車の助手席側に座る人だけが見れた絶景だったことでしょう。
そうして廃道となった今は、こうしてここに訪れる私のような物好きしか眺めることのできない景色となってしまいました。なんとも勿体ないものです。
そして、この絶景を見せてくれた道の先には……。
これまた良い風情となったトンネルが待ち受けていました。トンネルの右側には道路を突き破り草木が茂っています。
まさに至れり尽くせり要素てんこ盛りの廃道ですね。
トンネル内は大部分がコンクリートの吹きつけでしたが、中心部には僅かに更に古い頃の物であろうレンガ積みが残ってました。その壁の下には崩れたレンガの瓦礫が散らばっています。
丁度レンガの部分が天井から水が漏れており、少しずつ少しずつこのトンネルもまた自然に侵食されていることが分かります。
予定外の素敵な廃道と出会え、満ち足りた気分で一気に伊東の街並みへ下ります。
元日なので、個人経営の食事処は休みの可能性が高いと踏み、お昼ご飯(兼朝食)は道の駅で食べることに。
お昼を食べに道の駅 伊東マリンタウンへ
先ほどの旧道からひたすら下り坂を走り道の駅 伊東マリンタウンへ到着。
せっかくの道の駅だというのに写真が無いのは駐輪場に迷ったのと空腹感が限界だったためです。
流石観光地、元日であることや丁度お昼時直前なのも相まってか中々に混んでいました。
せっかく伊豆へ来たので、道の駅内にある「伊豆太郎 伊東マリンタウン店」にて15時間ぶりのコンビニ飯以外の食事ソリューションです。
メニューに載った数量限定の文字につられて、鰺タタキ漁師丼にしました。疲れた身体に海鮮の旨みが染み渡ります。
見た目より量がありましたが、夢中になって食べてしまいあっという間に完食してしましました。ごちそうさまでした。
お腹を満たした後は外にある無料の足湯で15分ほど抜け殻になりました。
関東最大級をうたうだけはあり横に広いので、結構快適に過ごせました。寒空の中酷使した足にはあったかい足湯がとても気持ちよいです。
足湯でリフレッシュしたあとはお土産を物色し、ちょっとシュークリームやじゃがバター天なるものをつまみ食いしました。
時間もいい具合に迫ってきているので、1km程先の伊東駅へ向かいます。
伊東駅にて素早く輪行袋へ自転車をしまい、自由席特急券を急いで買って時間ぎりぎりにホームへ駆け込みます。
列車がくる5分前にホームに入れたことで油断しきっていた私はここで特急が入線する3番ホームでは無く、改札側の1番ホームで列車を待ってしまうという致命的ミス。しかも自由席車両が先頭側な為にホームは端で待っていてしまうという状況。
列車到着寸前の場内アナウンスにより自らのミスに気付いた私たちは自転車を抱え反対側のホームへ向かうべくエレベーターへダッシュ。
エレベータが来る寸前に視界奥に特急が入線するのが見えた時にはもうダメかと思いましたが、地下通路をダッシュし階段を駆け上り、なんとか間に合い乗車することが出来ました。
この特急を逃せば次の自由席のある特急は2時間近く先。本当に間に合って良かったです。友人T氏には大変申し訳なかったです。
割と自由席は混雑していたので、座席には座らずに乗換で降りる品川駅までずっと扉の窓から今まで通った国道や伊豆の街並みを眺めていました。
古い車両だからか扉からすきま風がすごかった上に、揺れも激しかった為に途中何度か転びそうになりました。
伊東線及び東海道本線もまた鎌倉市大船駅までほぼ海岸に沿って走るため、車窓からは今まで自転車で走った国道135号線を眺めることが出来ます。
深夜に通っただけあり、明るい日中の道の姿を電車の車窓から眺めつつ帰るのはなかなか旅情があります。
途中熱海駅で連結作業経て10両編成から15両編成となった特急は時速100km前後で熱海駅から小田原駅を経て東京駅を目指します。
方向性の違いにより友人T氏とは小田原駅にてサヨナラ。今日1日ありがとう、T氏。
品川駅にて別の快速列車へ乗換。そのまま自宅最寄りの駅にて自転車を組み立て無事帰宅しました。
今回の経費
ICチャージ:-3000円
帰路の交通費:-3600円
コンビニ休憩:-700円
飲み物:-400円
食事休憩:-2000円
マギレコ課金:-9800円
バンドリ課金:-9800円
氷川紗夜入手:プライスレス
半分以上ガチャの課金額ですね。本当にありがとうございました。
東京駅から伊東駅までは特急を使わなければ2200円で所要時間2時間30分程なので、日が長い季節になってから休日にちょっと出かけるのにはいいかもしれませんね。
伊東駅まで輪行すれば、日本一低いと言われる伊豆高原や城ヶ崎海岸、天城越えで有名な天城山周辺なども楽しめると思います。
新年初日から密度の濃いライドとなりました。今年もこの調子で密度の濃いロングライドをしたいですね。
今回機材トラブルにより不参加となったヤモリ君へ逆襲も含め新たな試練を投票しておいたので後日が楽しみです。
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