企画の面白さはアイディア出しで決まる 〜 イチから作る同人CDの裏方仕事(1)

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M3やコミックマーケットなど、同人即売会にて自分が作った音楽をまとめたCDを作ってみたい、と考えてらっしゃる音楽系の同人作家さんが多くいらっしゃると思います。

とはいえ、「イチから企画して一枚のCD(モノ)ができるまで」という企画や生産といった裏方周りの仕事はなかなか教わらないものです。

同人サークルにおける裏方周りの仕事はサークル間で事情も工程も大きく異なるのとあくまで内向けの作業である為、当然ながら外部に発信することがまずありません。加えて、同人ではあまり触れたくない話題の一つであるお金の問題が絡むため、あまり口外したがらない傾向にあります。

そこで今回は、「曲作り以外で」同人CDを「企画」から一枚のCDを制作し即売会で「頒布する」までの裏方周りの仕事を順番に回数を分けてお話しさせていただきます。

前提条件

今回の説明では、以下の内容でCDを作るという前提で話をさせて頂きます。

  • 複数の作家が曲を出し合って製作する「コンピレーション」である。
  • 市販のCD-Rを自宅で音楽CDに加工する「手焼きCD」である。
    (プレスCDであっても説明する内容は恐らく変わりませんが、またの機会にさせていただければと思います)

「企画って何?」と訊かれて、ちゃんと答えられますか?

どのような物を作る場合にも言えることですが、物づくりの最初には必ず「企画」というプロセスがあります。「企画」とは一体どういう行為なのでしょうか?

「企画」と呼ばれる言葉は、辞書的にはこのように定義づけがなされています。

 『実現すべき物事の内容を考え,その実現に向けての計画を立てること。立案すること。また,その計画や案。』

三省堂 大辞林より抜粋

『企画(きかく)とは、議論の過程の一つで特に単発的な新規の事柄を計画することや、その議論によって行われる催し物。』

ウィキペディア(Wikipedia)より抜粋 (2016/01/21 16:30 UTC 版)

この定義からかいつまんで説明をすると「やりたい事を書き出し、それを実現するまでの計画や案をまとめたもの」という、「立案から実現までの「目標」を書き出した計画」的な意味合いで使われることが多い印象です。

先にも述べた通り、やりたいことを実現するまでに何をするのかを簡潔にかつ具体的にまとめたもの、と頭に入れていただければと思います。

アイディアを整理することの重要性

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「企画」という言葉の定義は簡単に確認いたしましたが、「じゃあ具体的にどうしたらいいのか」というお話になります。では、「企画」を立てる前に「自分が何を作りたいのか」という「アイディアの整理」をしていきます。

しかし何故ここでアイディアの整理を行うのか、やりたいことは頭に浮かんでいるからそんなことをいちいちする必要があるのか、と思われる方がいらっしゃると思います。

この「アイディアの整理」を行う理由は、二つあります。

一つは、頭の中で渦巻いているアイディアや、やりたいことを言語化し記録に残してやるため。頭の中でいくら良いアイディアが浮かんでいるとはいえ、曖昧で不確実なものであり「いつ忘れてしまうか分からない」ものです。それを一旦、他の媒体に吐き出してやることで言語的に認識できる物に記録することができます。

そして、もう一つの利点として、言語化したアイディアを客観的に見直すことができるという点にあります。確かに頭で考えているときは「良いアイディア」だったかもしれません。

ですが、いざ目に見える形に出してそれを読み返したとき、果たしてそれは「良いアイディア」と呼べるものでしょうか。今一度、再検討をさせる良い機会だといえるでしょう。

良いアイディアを出すために「制約」をつける

では実際に、アイディアを整理してみましょう。

整理といっても難しいことは致しません。チラシの裏、メモ帳、吐き出せる媒体であれば何でも構いません。思いつく限りのことをすべて吐き出していく、ブレーンストーミングを一人でやっていきます。

このアイディア出しは、概ね1週間程度の期間を取るといいでしょう。制作に取り掛かりたい気持ちを抑え、じっくりアイディア出しをする期間を設けるのです。

アイディア出しの際には、以下のような制約をつけてみましょう。

  • 箇条書きであること
  • 一文一文ちゃんと意味の通る文章であること
  • テーマは「作りたいCDについて(またはそれに準ずる任意のテーマ)」
  • 制限時間は3分

なぜこの制約を設けるかといいますと、いま頭で考えている事を、長く考えすぎず直感でアウトプットするためです。

画像は実際に書いたメモをテキストに清書したものとなります。あまりに字がきたなすぎたので実物は勘弁してください

画像は実際に書いたメモをテキストに清書したものとなります。あまりに字がきたなすぎたので実物は勘弁してください。

理想なのは、これを1週間の間毎日1回必ず行い、アイディアを蓄積してネタ増やしておくことです。

吐き出されたアイディアは全て採用する必要はありません。ある程度たまったら内容を精査した上で抜き出し、そこから使えそうなものをピックアップしていきます。1週間という期間を決めたら、その1週間後に使えそうなアイディアをピックアップしていく形でも構いません。

アイディアは9個捨てて1個活かす

アイディアは数があればあるほど、選べる選択肢は増えていきます。しかし、それらのアイディアを全て採用していると、何がやりたい企画なのかよく分からなくなってしまいます。

そこで、アイディアの精査を行います。この時の厳選は、「9個捨てて1個を採る」ぐらいの気概で選びぬく気持ちで行いましょう。1つ1つの「アイディア」は壮大なものや、ユニークなものでなくても構わないのです。どうせ9個は削ってしまうかもしれないので、アイディアを出す時にはどんどん出していきましょう。そのための制限時間3分でもあるのです。

このアイディアのアウトプットと精査は、今後の製作において徐々に大きな資産となっていきます。今回ボツになったアイディアでも、次回以降使えるアイディアになることもあるからです。

アイディアの整理やアウトプットの詳しい話については、自己啓発的で精神論のような話になってしまい、本筋から逸れてしまうのでお話いたしません。

これらのアイディアのアウトプット方法は赤羽雄二著作の「ゼロ秒思考」などで紹介されていますので、興味のある方はご一読いただくと幸せになれるかもしれません。

この他にもアイディアのアウトプット方法、例えば「KJ法」とかがございますが、そこは適宜やりやすいように吐き出して頂ければ、と思います。

ここまでのまとめ

ここまでが「企画とはなにか」「アイディアの整理とアウトプット」についてお話させていただきました。これを読まれている読者の皆様は良いアイディアがアウトプットできましたでしょうか。良いアイディアが出たのであれば幸いでございます。

ですが、この段階ではまだ具体的な内容どころか、まだCDとして作れる段階にはありません。次回は今回アウトプットしたアイディアを元に企画書として具体的な内容にし「企画として使える内容に加工する」ことについて触れていきたいと思います。

次回はいよいよ企画書作り!

企画書って本当に要るの? どういう企画書を作れば良いの? そんな質問に答えながら、企画書のイロハについてご紹介します!

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